アクセシビリティについて考える機会があったのでもう少し深くdiggってみる。
アクセシビリティ向上策の1つとしてよく用いられる文字の大きさを変更するボタン。JavaScript で CSS を切り替えたりして実現してるアレです。アレって本当に必要なの?
まぁ、ぼくのヨメと実家の PC での話でしかないけど Internet Explorer の文字サイズが「大」とか「最大」とかにすでに変更されてるんですよ。おまけに Windows のタイトルバーとかメニューとかの文字もでっかい。
そりゃあそうです。デフォルトの文字サイズが小さくて読みにくかったら大きくします。そうなのよ。目がよくない人たちはすでに文字が大きい状態で全てのサイトを見てるのですよ。調査対象狭すぎて信憑性にかけるけどきっとそうでしょ?(このへんはもうちょっと統計とか出したい。だれかやってくれ。)
で、そういう状態で個々のサイトに文字を大きくするボタンなんて必要ないでしょ、ってのがミーの主張です。すでにでっかいんだからいらねいよ。むしろそんなボタンあったらブラウザの文字サイズ変更機能とごっちゃになって混乱を招くだけ。(どんぐらいボタンおしてるかとか、ユーザビリティテストやってみたい)
いろいろポータル系とか新聞社、銀行、官公庁系とか海外も含めて見てみたけどこれはどうやら日本だけの習慣っぽい。日本語だからかなーと思っておんなじように漢字を多用してる中国系のサイトも見てみたけどそんなボタンはナイ。日本人の誰かが最初につけたのがそのまま流行ったんじゃないかって思う。あれがおいてあると「アクセシビリティに配慮してます感」が出るからクライアントの受けはいいだろしな。
はい、まとめ。
個々のサイトに文字サイズ変更ボタンはいらない。
- 付け方(文言・サイズ)のガイドラインはない → サイトごとにバラバラ → ユーザビリティ悪すぎ。
- ブラウザとの連携はないので、そのサイトからリンクなどで外に出ると文字サイズリセット。
- っていうか目が悪いひとは最初っからブラウザの設定で文字を大きくしてる。
- なので普通にブラウザの文字サイズを変更できるようにサイトが作られていれば何の問題もない
ここまでやるなら意味があるっていうのが BBC のアクセシビリティ対応のページ。右上の A が並んでるやつね。これは単純な文字サイズの拡大だけじゃなくって、色弱・色盲にも対応したカラーの変更も一緒にやっちゃう。この機能はこのアクセシビリティ対応ページ以下でしか使えなくって、全部のページでそうなってればいいのにーって思ったんだけど、このページ見てちゃんとブラウザや OS の設定変えられれば必要なくなるんだからいらないのでした。。。
BBC のサイトは DESIGNING INTERACTIONS にもとりあげられてたけど、その他のポイントでもすごくよく考えられてつくられてるのでじっくり探索してみるべし。
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はげしく同意
僕もはげしく同感です!アクセシビリティは向上しすぎると逆効果だと僕も思ってました。
そ れ だ !
確かに、本質的には、総ダイナミックテキスト、級数固定はぜったいしないというのが守られていていれば、「十分気が利いてる」ということだろうなあと思います。
でもあれですね、目が悪い人はあらかじめ文字が大きい状態で見ているというのは同意ですが、ブラウザの文字を大きくするボタンを万人がつかいこなしているというのはちょっと謎。なのでその機能へのアクセシビリティをあげる意味でフォントサイズ変更ボタンを設置するのはアリかも、とは思っている次第。
というかBBCのページ、すごいすね。
ブラウザの文字を大きくするボタンそのものへのアクセシビリティが悪いってのは、http://www.usability.gr.jp/alertbox/20020819.html にも述べられている通り。Mac 版 IE4 にはデフォルトで文字サイズ変更用のボタンがツールバーにあったみたいね。
で、ブラウザの出来が悪いからって自分のサイトだけ対応するんじゃなくって、根本的な対応策を提示してあげるっていうほうがいいんじゃないの?って思うのです。BBC は後者のパターンだよね。
もちろんその場でひょいっと変更できるってのはすごく便利なんだけど、それがブラウザの設定と連動してないってのがアレなんだなー。JavaScript とかで変えられればいいのに。
作っちゃうところでした…orz
ブラウザでフォントサイズを変更してもレイアウトが崩れないように作られていればいいのですが、そこはブラウザによって挙動が違うので、フォントサイズ変更ボタン大~小の範囲ではレイアウトを保証します、という感じかなと。
私もいらない派なのですが、どうもクライアント会社の担当者との打ち合わせレベルは「不要ですね」という話が、先に進む、つまりクライアント会社のエラい(年配者)が使うので実装してください、という案件がいくつかありました。ホントかなーといつも疑問に思うのですが、そこが年代差なのかなと。ボタンにアクセスカウンタ埋め込んで数字とりたいと思っているのですが、そんなくだらない事には許可が下りず。
あまり大きな声で言えない例としては、デザイン&コーディング会社が「これからはこういうユーザビリティが必要です」という名目でボタンつけて制作費を上げる、というのもあります。